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機械の「目」の正体!エンコーダーってなに?仕組みや種類をわかりやすく解説

電子部品・回路の基礎

「エンコーダー」という言葉、聞いたことはありますか?

ロボットを動かしたり、エレベーターがピッタリの高さで止まったりするために欠かせない、とっても大事な部品なんです。

「難しそう……」と思うかもしれませんが、実は「形のない動きを、数字に変えてくれる通訳さん」だと考えればとってもシンプル!

今回は、私たちの生活を支える名脇役、エンコーダーの秘密をのぞいてみましょう。

エンコーダーとは

エンコーダーは「動き」を「数字」に変える通訳さん!です。

人間は「腕をこれくらい曲げた」と感覚でわかりますが、コンピューターは「数字」しか理解できません!!

そこでエンコーダーの出番です!

例えば、懐中電灯で「1回つけるたら【あ】」「2回つけたら【い】」と合図を送るように、機械の動きを「1、2、3…」という電気の信号(0と1)に変えてコンピューターに伝えてくれる装置、それがエンコーダーです。

仕組み

どうやって「動き」を読み取っているの?

エンコーダーが「理解」するために使っている主な仕組みは2つあります。

  • 光のパワー(光学式)
    シマシマの穴が開いた円盤をライトで照らします。円盤が回ると光が「パッパッ」とまばたきするので、その回数を数えて動きを知る仕組みです。
  • 磁石のパワー(磁気式)
    方位磁石(コンパス)のように、磁石が回る向きをセンサーで読み取ります。汚れや水に強く、タフな現場で活躍します。

~~方位磁石と回転する円盤~~
磁気式エンコーダーは、小さな方位磁石(センサー)と、模様のついた磁石の円盤(回転体)の組み合わせだと思ってください。

① 円盤側(磁石)
 回転する円盤には、N極とS極が交互に並んでいる(しましま模様みたいな感じ)
② センサー側(磁気センサー)
 そこに「方位磁石のようなセンサー」を近づけると、
   N極が来た ⇒ 反応Ⅰ
   S極が来た ⇒ 反応Ⅱ
 というように、磁気の変化を読み取ることができます。
③ 回転を読み取る仕組み
 円盤が回ると、
  NSNS ⇒ …
 と順番に通過するので、センサーは「今どれくらい回ったか」をカウントできる!

~~磁石式の「ここがすごい!」(光式との違い)~~
なぜ光ではなく、わざわざ磁石を使うのでしょうか?それには大きなメリットがあるからです。
 汚れにめちゃくちゃ強い:光のエンコーダーは、油やホコリでシマシマが隠れると見えなくなってしまいます。でも、磁石の力は汚れを突き抜けるので、ドロドロの工事現場や油だらけの工場でも平気で動けます!
 壊れにくい:ライト(LED)を使っていないので、電球が切れるような心配がなく、とっても長持ちします。
 水の中でも平気:水で光が屈折することもないので、水中ロボットなどでも大活躍します。

実はこんなところで働いています

あなたの周りにも、エンコーダーが隠れているモノがたくさんあります。

  • エレベーター : 車輪の回転を数えて「今、3階の床と同じ高さだよ!」と教えてズレを防ぎます。
  • お掃除ロボット: タイヤが回った数を数えて、自分の居場所を確認しています。
  • プリンター  : 「あと0.1ミリ紙を送って!」と細かく命令を出しています。

~~プリンターの中身~~
プリンターの中には、実は2種類のエンコーダーが隠れています。 それぞれが「横の動き」と「縦の動き」をじっと見張っているんです。

1.横の動きを見張る「エンコーダーストリップ」
 プリンターのフタを開けると、プリントヘッド(インクを出す部分)が左右に動くレールの近くに、「細長い半透明のフィルム」がピンと張られているのが見えませんか?これが1つ目のエンコーダーです。
  どこにある?: プリントヘッドが動く道の真後ろに、横長に張られています。
  何を確認している?: プリントヘッドの「今の正確な左右の位置」です。
  仕組み: フィルムには目に見えないほど細かな縦線がびっしり印刷されています。ヘッドに付いたセンサーがこの線を数えて、「今は左から10.52ミリの場所にいるな!」と判断し、インクを出すタイミングを1ミリの狂いもなく調整しています。

2.縦の動きを見張る「エンコーダーディスク」
 プリンターの横側(内部の奥まったところ)には、「透明な円盤」が隠れています。
  どこにある?: 紙を送り出すローラーの軸に取り付けられています。
  何を確認している?: 「紙をどれくらい進めたか」です。
  仕組み: ローラーが回ると一緒に円盤も回ります。エンコーダーがその回転を読み取って、「紙をあと0.05ミリだけ進めて!」という細かい調整をしています。

3.もしここが汚れるとどうなる?
 プリンターにとって、エンコーダーは「定規」のようなもの。ここが汚れると、機械は自分の位置がわからなくなり、こんなトラブルが起きます。
  ①文字が二重になる・ズレる: 「定規」が汚れて読み飛ばしてしまうので、印字がガタガタになります。
  ②ガツン!という異音: 自分の端っこがどこかわからなくなり、壁にヘッドをぶつけてしまうことがあります。
  ③真っ白な紙が出てくる: どこに印刷していいかパニックになり、エラーで止まってしまいます。

豆知識: 紙詰まりを直した後に印刷がズレるようになったら、このフィルムに指紋や油がついてしまった可能性が高いです。まさに、機械が「目がかすんで前が見えないよ〜!」と言っている状態なんですね。

エンコーダーに電源は必要?

エンコーダーは、絶対に電源が必要です!

  1. 「光」や「磁力」を出すために必要
    ライト(LED)を光らせるための電気が必要です。
    暗い中では、シマシマの円盤が回ってもセンサーは何も見えませんよね!?
  2. 「センサー」が考えるために必要
    光を受け取ったセンサーが、「今、光った!」と判断して、それを電気の信号(0か1か)に変えるときにもパワーが必要です。
    人間でいうと、目で見ているだけでなく「脳」を動かすためのエネルギーが必要なのと同じです。
  3. 「信号」を届けるために必要
    エンコーダーが作った「動いたよ!」という情報を、遠くにあるメインのコンピューター(コントローラー)まで電線を通して送り出すためにも、電気の力(押し出す力)が必要になります。

どうやって買うの?

エンコーダーって基本的にオーダーメイドなの?

実は、エンコーダーは「オーダーメイド」というよりは、「カタログから選ぶ」既製品(きせいひん)がメインです。

ネジや電池と同じように、たくさんの種類がお店やメーカーで売られていて、設計する人が「このロボットには、このサイズのこのエンコーダーがぴったりだ!」と選んで使います。

ただ、使いみちによっては「特別に作る」こともあります。

機械をバラバラにしてみると、実は中に入っているエンコーダーは他の機械と同じものだった、なんてこともよくあるんですよ。

作ってみよう

実は、エンコーダーの仕組みは家でも再現できます!

厚紙に穴を開けた円盤を作り、片側から懐中電灯、反対側から光センサーを当てて回してみてください。

光が遮られたり通ったりする「チカチカ」を数えれば、それが立派な自作エンコーダーの第一歩です!

おわりに

エンコーダーは、機械が自分の動きを正しく知るための「目」や「感覚」のような存在です。

もしこれがないと、ロボットは暴走し、エレベーターは段差だらけになってしまいます。

普段は見えない場所に隠れていますが、私たちが便利に暮らせるのは、この「小さな通訳さん」が休まず数字を数えてくれているおかげなんですね。

次にエレベーターに乗ったときは、ぜひ「今、エンコーダーが頑張ってるな!」と思い出してみてください!でわっ!!

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