毎日当たり前のように蛇口から出る水。でも、どうやって家まで水が届いているか考えたことはありますか?
実は、水道水が私たちの家庭に届くまでには、ポンプという頼もしい機械が大活躍しています。
本記事では、水道ポンプの仕組みや水が流れる仕組みを、例え話を交えながらわかりやすく解説します。
水が出る仕組み

蛇口をひねると、なぜ水が出るの?

水道管の中にはすでに水が圧力をかけられて詰まっているからです。
流れの流れ
- 水源(ダム・井戸・浄水場)
水はポンプで押し上げられたり、高い場所にあるタンクに貯められたりして、圧力がかかっています。 - 配水管
圧力のかかった水は、町中に張り巡らされた水道管を通って各家庭まで届きます。
このとき管の中は水で満たされていて、常に「押されている状態」です。 - 蛇口(バルブ)
蛇口は単なる「水の通り道をふさいでいるドア」のようなもの。
閉じていると → 水の通り道がふさがれている
ひねって開けると → 通り道ができる - 水が出る理由
蛇口を開けると、管の中の「押されていた水」が一気に流れ出してくる、という仕組みです。
圧力

圧力は、どこまで保持できるの?
圧力は蛇口を閉めている限りずっと保持できるけれど、その大きさは水源の高さやポンプの力に依存し、通常は 0.1~0.75MPaの範囲に制御されています。
圧力の源
水道の圧力は主に2種類で作られています。
1.高い位置の水槽(配水塔・高架水槽)
⇒高さ(重力)によって圧力をかける。(例:高さ10mの水柱=約0.1MPa = 1気圧の1/10)
2.ポンプ
⇒強制的に水を押して圧力を与える。
圧力が保持できる範囲
圧力が保持できる範囲は、蛇口を閉めている限り!ずっと
管の中は密閉されているので、水は押された状態(圧力を受けたまま)でずっと保持されます。
(ちょうど自転車のタイヤに空気が閉じ込められているのと同じ)
もし漏れや隙間があると、少しずつ圧力は逃げてしまいます。
地形の制約
圧力は「水の高さ」と比例するため、例えば配水塔の高さが50mなら最大で0.5MPa程度しか得られません。
もしその先にもっと高い建物があれば、上の階まで水が届かなくなります。
実際の水道圧力
日本の家庭用水道では 0.1~0.75MPa(1~7.5kgf/cm²程度) が一般的。
あまり強すぎると配管や器具が壊れるので、減圧弁で調整されます。

平地の民家は高さの圧力のみ利用しているの?
平地の民家は、かつては「高さの圧力のみ」でしたが、今は多くの地域で「ポンプによる圧力供給」が一般的です。
供給
高架水槽方式(昔ながらの方式)
高い塔(配水塔)やビルの屋上タンクに水を貯めて、高さによる重力(水頭圧)だけで各家庭に供給する。
平地でも配水塔の高さがあれば、低い家に十分な圧力で水が届く。
メリット:停電してもすぐに断水しにくい。
デメリット:大きなタンクや塔が必要。
直結直圧方式(現在主流)
ポンプで直接水道管に圧力をかけて各家庭に供給する。
平地の民家も基本的にこのポンプ圧力を利用している。
メリット:水質が清潔(タンクが不要)、安定供給。
デメリット:停電時は断水のリスク。

ポンプはどこにあるの?
ポンプは 浄水場や配水池(町のインフラ側) にあり、高層建物はさらに 建物内にも設置されます。
普通の平地の民家では、ポンプは見えない場所(配水施設側)にあって、家の敷地にはありません。

どんなポンプがあるの?
遠心ポンプ
形は羽根車(プロペラのようなもの)が中に入っています。
羽根車が高速で回転すると、水が外側に飛ばされて押し出されます。
その結果、管の中に水圧が生まれ、水が流れます。
- 羽根車が回る → 水が外に押し出される → 水が管に流れる
- 家庭用や水道局の大型ポンプでもよく使われる方式
容積型ポンプ(ピストン式など)
ピストンやゴムの膜が動くことで、水を押し出したり吸い上げたりするタイプ。
量は少なめですが、高い圧力をかけられるので、高層ビルや特定の工場で使われます。
- ピストンが押す → 水が前に進む
- ピストンが戻る → 水が吸い込まれる
料金
水道水の料金:地域や使用量によりますが、1リットルあたり約0.2円程度が一般的な目安です。
ちなみに、市販のミネラルウォーター:1リットルあたり約200円と、水道水に比べて非常に高価です。
おわりに
水道水が当たり前に使えるのは、ポンプや水道管、そして水を管理する人たちの努力のおかげです。
毎日の生活に欠かせない『水』ですが、その裏には複雑で精密な仕組みがあります。
少し意識するだけで、蛇口から出る水のありがたさをより実感できると思います。
でわっ!!
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