赤外線は、テレビリモコンや暖房器具、医療機器など、私たちの身近な生活で広く使われています。
でも、『赤外線って目に見えないけど安全なの?』『どのように情報を伝えているの?』と疑問に思う方も多いはずです。
本記事では、赤外線の仕組みや種類、身近な活用例、そして人体への影響についてわかりやすく解説します。
赤外線(せきがいせん、infrared ray)とは、
・人の目には見えない光(電磁波)の一種
・電磁波の中では、可視光線(目に見える光)の赤よりも波長が長い領域にあたる
特徴
- 波長範囲:おおよそ 0.75 μm~1000 μm(1 mm)
- 目に見えないが、熱として感じられる
- 物体が熱を持つと、その温度に応じた赤外線を放射します
| 分野 | 例 | 仕組み・目的 |
| 家電 | テレビリモコン | 信号を赤外線で送る |
| 防犯・監視 | 赤外線カメラ | 暗闇でも熱を検知して撮影 |
| 医療 | 赤外線治療器 | 体を温め、血行促進 |
| 産業 | 温度センサー、赤外線分析装置 | 熱の分布や物質の成分を分析 |

なんでリモコンに赤外線を使うの?
リモコンに赤外線を使う理由
- 電波よりも干渉が少ない
赤外線は壁や障害物を通り抜けにくいため、テレビなどの機器に直接向けて送信する必要があります。
これにより、他の機器からの干渉が少なく、特定の機器だけに信号を送るのに適しています。 - 安価で小型のLEDを使える
リモコンのコストを抑えながら、簡単に信号を送ることができます。
受信側のセンサーも小型で済みます。 - 安全性が高い
リモコンは近距離通信が前提なので、赤外線の届く距離は十分です。
長距離の無線通信のように複雑な送信装置や規制は不要です。
つまり、赤外線は「安価・安全・干渉が少ない・近距離で十分届く」という理由で、
テレビやエアコンなどのリモコンに最適な通信手段として使われています。
どうやって指示を出しているの?
- リモコンのボタンを押す
例えば「音量を上げる」ボタンを押すと、リモコンの中のマイコン(小さなコンピュータ)がその操作を「コード(数字列)」に変換します。
このコードはテレビごとに決められたものです。
例: 音量UP → 1010101101 のような2進数 - 赤外線LEDを点滅させる
2進数の「1」を送るときはLEDを高速点滅させ、「0」のときは点灯させない、または点滅のパターンを変えます。
人間の目には点滅が見えませんが、テレビ側の赤外線受信センサーは認識できます。 - テレビの赤外線受信センサー
テレビの前面には小さな赤外線受光素子(フォトダイオードなど)があり、赤外線の点滅を受信します。
点滅パターンを解析して、どのボタンが押されたかを判断します。 - テレビが指示を実行
受信したデジタルコードをテレビの制御回路が読み取り、
・音量を上げる
・チャンネルを変える
・電源を入れる
などの動作を行います。
1. ボタン → コードに変換
2. コード → 赤外線の点滅パターンに変換
3. テレビが赤外線を受信 → コードを復号
4. テレビが動作
誤認識、誤受信しないの?

リモコンはボタンを押している間も連続で信号を送りますが、誤認識を防ぐ工夫がされています。順を追って説明します。
- 最初の信号送信
ボタンを押すと、まず1回だけ操作コードが送信されます。
これでテレビは「ボタンが押された」と認識します。 - ボタンを押し続けると
1回送信したあと、リモコンは一定間隔(例: 100~200msごと)で同じ信号を繰り返し送信します。
これを「リピートコード」と呼びます。 - テレビ側の誤認識防止
テレビはリピート信号を専用に識別できるようになっています。
「最初の信号」と「リピート信号」を区別しているため、
・1回の押下 → 1回の操作
・押し続け → 連続操作(音量UPが連続するなど)
が自然に実現されます。 - なぜ誤認識しないのか
赤外線は室内の光ノイズ(太陽光や照明)に影響されやすいですが、
信号は高速で点滅しており特定の周波数(38kHzなど)でキャリア変調されているため
普通の光では反応せず、テレビは正しい信号だけを受信します。
また、信号にはチェックサムのような誤り検出情報が含まれている方式もあり、
誤認識がさらに防がれています。
テレビが最初の信号を読めなかった場合は?

ここも重要なポイントです。
テレビが最初の信号を読み取れなかった場合でも、ほとんどの赤外線リモコンは連続送信(リピート信号)でフォローする仕組みになっています。
詳しく説明します。
- 最初の信号を読めなかった場合
赤外線は光の干渉や障害物で受信できないことがあります。
もしテレビが最初の信号を受信できなければ、その瞬間の操作は無効になります。
しかし、リモコンはボタンを押し続けている限り同じ信号を繰り返し送信します。 - リピート信号がテレビに届く
テレビはリピート信号も認識できるため、最初の信号が欠けても次の信号で動作します。
例えば音量を上げるボタンを押した場合、
①最初の信号をテレビが見逃す
②100ms後にリピート信号が届く → テレビは音量を1段上げる - 誤動作を防ぐ仕組み
赤外線信号にはチェック用のコードやリピート判別用のフラグがあります。
これにより、テレビは同じ信号の意図的な繰り返しか、ノイズかを区別できます。
そのため、信号が途切れた場合でも誤動作せず、操作を正しく認識できます。 - 実際のユーザー体験
例えばリモコンを少し傾けたり、途中で手が遮った場合でも、
音量やチャンネル操作が連続して反映されるのはこの仕組みのおかげです。
おわりに
赤外線は、波長の長い光として私たちの生活に欠かせない存在です。
テレビリモコンや暖房器具などの身近な用途は安全で、正しい知識を持つことで安心して利用できます。
一方で、医療用や産業用の強力な赤外線では安全管理が必要です。
この記事を参考に、赤外線の仕組みと安全性を理解して、日常生活で上手に活用しましょう。
でわっ!!



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