私たちの身の回りには、テレビリモコンやWi-Fi、携帯基地局、さらには巨大な鉄塔からも電磁波が飛び交っています。
でも『電磁波って体に害があるの?』『なぜ情報を運べるの?』と疑問に思う方も多いはずです。
本記事では、赤外線や無線通信など身近な電磁波の仕組み、種類ごとの特徴、そして人体への影響について、図解や具体例を交えてわかりやすく解説します。
電磁波とは?
- 電磁波(でんじは)」は、電気と磁気の変化が組み合わさって空間を伝わる波のことです。
- 光・電波・X線など、すべて同じ「電磁波」という仲間に属します。
- たとえるなら、「電気の波」と「磁気の波」が直角に交わりながら、光の速さで空間を進む感じです。
| 電磁波の種類 | 波長の範囲(おおよそ) | 主な特徴・用途 |
| ガンマ線 | 0.00001 μm以下 | 放射線・医療用照射 |
| X線 | 0.01~10 nm | レントゲン撮影 |
| 紫外線 | 10~400 nm | 日焼け・殺菌 |
| 可視光線 | 400~700 nm | 人の目で見える光 |
| 赤外線 | 0.75 μm~1 mm | 熱・リモコン・暗視カメラ |
| マイクロ波 | 1 mm~1 m | 電子レンジ・レーダー |
| 電波 | 1 m以上 | テレビ・ラジオ・通信 |
性質
- 真空中でも伝わる(音波と違い、空気がなくてもOK)
- 光の速さ(約30万 km/s)で進む
- 波長が短いほどエネルギーが強い
種類と位置関係

電磁波は波長の短い順に並べると次のようになります。
ガンマ線 ⇒ X線 ⇒ 紫外線 ⇒ 可視光線 ⇒ 赤外線 ⇒ マイクロ波 ⇒ 電波

つまり、赤外線は「赤の外」にある光という意味で名付けられました。
音波との違い

音波は、空気などの物質を振動させて伝わる波です。
つまり、「空気の振動」=音 です。
音波は媒質(空気・水・金属など)が必要
→ 真空(宇宙など)では音は伝わりません。
電磁波は、電気と磁気の変化が空間を伝わる波
つまり、「エネルギーが空間を飛んでいく波」
媒質がなくても伝わる(真空でもOK)
→ 光や電波が宇宙空間を進むのはこのため。
| 比較項目 | 音波 | 電磁波 |
| 伝わり方 | 物質の振動(機械的波) | 電場・磁場の変化(エネルギー波) |
| 媒質(空気など) | 必要 | 不要(真空でもOK) |
| 伝わる速さ | 約340 m/s(空気中) | 約300,000,000 m/s(真空中) |
| 伝わる方向 | 振動方向と同じ(縦波) | 振動方向と直角(横波) |
| 例 | 声、楽器の音 | 光、電波、赤外線 |

音は遠くなると聞こえなくなるけど、電磁波は?

実は、電磁波も距離が遠くなると弱くなります。
でも、音が聞こえなくなる理由とは少し違います。
音は「空気の振動」です。
遠くに行くほど、空気の振動(波のエネルギー)が広がって弱くなり、さらに空気中で吸収・摩擦によって減衰(弱まる)します。
電磁波も、距離が離れると弱くなります。
ただしその原因は、空気の吸収よりも「広がり方」です。
電磁波は空間に球のように広がっていくので、中心から遠ざかるほど、1平方メートルあたりのエネルギーが減ります。
これを「距離の2乗に反比例して弱まる(距離の二乗則)」といいます。
距離が2倍 → 強さは1/4
距離が10倍 → 強さは1/100
それでも電磁波は遠くまで届く!
空気の中では減衰は少ないため、音よりずっと遠くまで届く。
真空中ではほとんどエネルギーを失わず、宇宙の果てまで届く。
太陽の光(約1.5億 km離れている)も地球に届く。
宇宙探査機(数十億 km先)とも電波通信できる。
| 比較項目 | 音波 | 電磁波 |
| 伝わる仕組み | 空気などの振動 | 電場と磁場の波 |
| 弱くなる主な理由 | 空気による吸収・摩擦 | 波の広がり(距離の二乗則) |
| 真空での伝わり方 | 伝わらない | 弱まらず進む |
| 到達距離 | 数 km~十数 km程度 | 数億 km以上も可能 |
人体への影響

電磁波って、なんだか怖い…

ご説明いたします。
電磁波の種類と人体への影響
| 種類 | 波長・周波数 | 主な例 | 影響の傾向 |
| 高周波(電離放射線) | X線、ガンマ線 | 医療用X線、放射線治療 | DNA損傷の可能性があり強い影響。長時間・高線量でがんリスク増加 |
| 中周波(非電離) | 紫外線 | 太陽光UV | 長時間で皮膚がん、日焼け、目へのダメージ |
| 低周波(非電離) | 可視光、赤外線、ラジオ波、Wi-Fi、リモコンのIR | テレビリモコン、電子レンジ、スマホ通信 | 適切な範囲ではほぼ安全。強すぎると熱作用(電子レンジなど) |
赤外線やリモコンの場合
- リモコンの赤外線は非常に弱い光エネルギーで、皮膚や目を熱で傷めるほどではありません。
- 受信範囲は数メートル程度で、人体への影響は無視できるレベルです。
電磁波の安全性の目安
WHOや国際放射線防護委員会(ICNIRP)は、家庭用赤外線やWi-Fiのレベルは健康に影響を与えない安全基準以下としています。
注意が必要なのは強力な紫外線、X線、放射線などで、日常生活のリモコンやWi-Fiは問題ありません。
家庭・日常での電磁波強度比較(概算)
| 電磁波の種類 | 周波数帯 | 発生源例 | 強度の目安 | 健康リスク |
| 赤外線(IR) | 約0.3–1 THz | テレビリモコン、赤外線暖房 | 約0.001–1 mW/cm² | 安全。皮膚や目を直射しすぎると熱感覚程度 |
| 可視光 | 約430–770 THz | LED照明、スマホ画面 | 約1–10 mW/cm² | 安全。ただし長時間の直視で目に負担 |
| Wi-Fi / Bluetooth | 2.4–5 GHz | 無線LANルーター、スマホ | 約0.001–0.1 mW/cm²(近距離) | 安全。熱作用はほとんどなし |
| 電子レンジ | 2.45 GHz | 電子レンジ本体 | 約10–100 mW/cm²(扉内部) | 扉外は漏れほぼゼロで安全。内部は遮蔽されている |
| 携帯基地局 / 巨大鉄塔(RF電波) | 800 MHz–3 GHz | 携帯電話基地局、高圧送電線 | 約0.0001–0.01 mW/cm²(距離数十~数百メートル) | 安全基準以下。距離が離れると人体への影響はほぼなし |
| 高圧送電線(50–60 Hz) | 50–60 Hz(低周波) | 電線鉄塔 | 約0.001–0.1 μT(磁束密度) | 国際基準(ICNIRP)以下なら健康リスクは非常に低い |
情報伝達方法

なぜ電磁波は情報を伝えられるの?

電磁波が情報を伝えられる理由は、波の性質を使って「信号の強弱やパターンを変化させることができるから」です。少し詳しく分解して説明します。
- 電磁波の基本
電磁波は電場と磁場が互いに直角に振動しながら進む波です。
光、赤外線、ラジオ波、Wi-Fi、X線などはすべて電磁波ですが、周波数や波長が違うだけです。
波には以下の特徴があります。
・振幅(強さ)
・周波数(1秒あたりの振動数)
・位相(波の開始位置) - 情報の載せ方(変調)
電磁波自体はただの波ですが、波の「性質」を変えることで情報を載せられます。
【代表的な方法】
Ⅰ:振幅変調(AM)
波の高さ(振幅)を変えて信号を表現
⇒ ラジオ放送で音声信号を振幅に変換
Ⅱ:周波数変調(FM)
波の振動の速さ(周波数)を変えて情報を表現
⇒ FMラジオや無線通信
Ⅲ:位相変調(PM)
波の位相を変えて信号を表現
⇒ 高速デジタル通信で使われる
Ⅳ:パルス変調(PWMなど)
信号の「オン/オフ」のタイミングで情報を表す
⇒ 赤外線リモコンはこの方式に似ている - テレビやリモコンの場合
【リモコン】赤外線LEDの点滅パターンで0と1を表す ⇒ 電子回路で復号
【Wi-Fiやラジオ】振幅・周波数・位相を変えてデータを電磁波に乗せる ⇒ 受信機で元の情報に変換 - まとめ
・電磁波は光速で空間を伝わる波
・波の「振幅・周波数・位相・パルス」を変えることで情報を載せられる
・受信側は波の変化を読み取り、元の情報(音声・画像・コマンド)に復元できる
おわりに
電磁波は、周波数や強度によって人体への影響が大きく異なります。
家庭で使う赤外線リモコンやWi-Fiなどは安全で、日常生活で健康被害の心配はほとんどありません。
一方で高エネルギーの放射線や紫外線には注意が必要です。正しい知識を持つことで、不安なく便利な生活を楽しむことができます。
この記事を参考に、電磁波の基本と安全性を理解して、身近な電磁波と上手に付き合いましょう。
でわっ!!


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