寒い冬も暑い夏も快適に過ごせるエアコンや給湯器。
その中で、省エネで環境にやさしい技術として注目されているのが『ヒートポンプ』です。
名前は聞いたことがあっても、実際にどんな仕組みで熱を移動させているのか、メリットは何なのか、詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
この記事では、ヒートポンプの基本的な仕組みやメリットをわかりやすく紹介します。
ヒートポンプとは
ヒートポンプは、外の空気や地中、水などから熱を「移動」させて、室内を暖めたり冷やしたりする省エネ性の高い装置です。
仕組み

どうやって熱を移動させるの?

ヒートポンプは冷蔵庫の仕組みに似ています。
冷蔵庫は中の熱を外に逃がして冷やしますよね。ヒートポンプはそれを逆に使うこともできて、
・寒い外の空気から熱を取り出して室内に届ける(暖房)
・暖かい室内の熱を外に逃がす(冷房)
これをポンプのように熱を「吸い上げて運ぶ」動きで行います。
熱の取り出し

どうやって熱を取り出すの?
ヒートポンプは、「冷媒(れいばい)」と呼ばれる特殊な液体を使って熱を移動させています。冷媒は低い温度で蒸発し、高い温度で凝縮する性質があります。
- 蒸発(熱を吸収)
外の空気(寒くてもわずかに熱があります)を冷媒が通ると、冷媒はその熱を吸収して液体から気体に変わります(蒸発)。このとき、周りの熱を奪うので外気から熱を取り出したことになります。 - 圧縮
蒸発して気体になった冷媒はコンプレッサーで圧縮されて高温高圧の気体になります。圧縮することで温度が上がります。 - 凝縮(熱を放出)
高温高圧の冷媒が室内側の熱交換器(例えばエアコンの室内機)を通ると、冷媒は熱を室内に放出しながら気体から液体に戻ります(凝縮)。この時、室内が暖まります。 - 減圧
液体になった冷媒は膨張弁を通って圧力を下げ、低温低圧の液体に戻り、また外気の熱を吸収しに行きます。
ポイント
・外気の熱を直接取り込むわけではなく、冷媒が熱を吸収して運ぶイメージ
・コンプレッサーが熱の「圧縮」で温度を上げてくれる
冷媒

冷媒は減っていくの?

基本的には、冷媒は閉じた回路の中をぐるぐる循環しているので、
通常は減りません。
ヒートポンプの冷媒は管の中を蒸発・凝縮を繰り返しながら移動しているので、外に逃げない限り減ることはありません。
ただし、配管のつなぎ目や機器の劣化で漏れることがあり、その場合は冷媒が減ってしまいます。

冷媒が減るとどうなる?

冷媒が足りなくなると熱をうまく運べなくなり、暖房・冷房の効率が落ちます。

機械が故障するリスクも高まります。
ヒートポンプのメリット
- 電気を使って空気中の熱を取り込むので、省エネで環境に優しい
- 冷暖房どちらも1台でできる
- エアコンや床暖房、給湯器などさまざまな機器に使われている
代表的なヒートポンプ機器
- エアコン
- エコキュート(ヒートポンプ式給湯器)
- 床暖房システム
おわりに
ヒートポンプは、空気や地中の熱を効率的に取り込み、少ないエネルギーで暖房や冷房、給湯を実現する優れた技術です。
環境負荷を抑えながら快適な暮らしを支えるため、これからますます普及が期待されています。
ぜひ、この便利でエコな技術を日常生活で活用して、より快適で持続可能な未来を目指しましょう。
でわっ!!
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